一般歯科と小児歯科の違い
小児歯科とは、単にお子様の虫歯を治療するだけの診療科ではありません。
お子様が虫歯にならないための予防や、正しい位置に永久歯を生やすための取り組みなど、お口の状態を「健康的に育てること」を小児歯科と呼びます。
乳歯は虫歯になっても生え変わるから大丈夫―。
このようなお考えの親御さんは多いのではないでしょうか?
実は、この認識はお子様の歯並びに大きな影響を与えます。なぜなら、乳歯の虫歯を放っておくと、丈夫な永久歯は生えてこないからです。
しかも、乳歯は永久歯に比べて虫歯になりやすいという特徴があります。
乳歯がむし歯になりやすい理由
- しっかりと歯磨きが出来ないため、歯垢が溜まりやすい。
- 食べかすが溜まりやすく、虫歯菌が酸を作りやすい環境にある。
- 永久歯に比べ、エナメル質・象牙質の厚みが半分しかない。
- 再石灰化の力が弱い。
以上のような特徴をしっかりと把握して、お子様の歯の健康を保つことが小児歯科では重要です。
乳歯の特徴
- 乳歯は弱い
乳歯は永久歯が生えてくるまでの歯です。
そのため、一生ものの永久歯に比べると、構造が簡略化されています。構造の問題から虫歯になりやすく、痛みが出やすい歯になります。 - 乳歯は生え変わる歯
乳歯は生え変わる歯ですので、一生使えるほどの治療をする必要はありません。
永久歯ほど削る必要はありませんし、詰め物も永久歯とは違います。 - 乳歯は永久歯がキレイに並ぶための隙間を確保する役割があります
乳歯の奥歯は、後に生えてくる永久歯の奥歯よりもサイズが大きめです。
なぜかというと、後に生えてくる永久歯がキレイに並ぶための隙間を確保しているからです。
乳歯を早く失うということは、そのバランスを失い、永久歯の歯並びに影響が出るということです。
子供のころに通う歯医者が人生を左右する!?
歯医者が苦手という方は、大人でも数多くいらっしゃると思います。その理由には、幼い頃の歯医者での嫌な記憶が関係しています。
歯医者とは、大抵の人にとって幼い頃に出会うものですが、その時の思い出が、その後のお口の人生を左右するといっても過言ではありません。
初めての歯科医院で、「歯医者は怖い・痛いところ」という印象を持ってしまえば、子供の頃はもちろん、大人になってからも歯科医院に通いづらくなってしまいます。
そうすると、歯の健康を守ることがどんどん難しくなっていき、結果、将来歯を失ってしまう要因となっていきます。
当院の小児歯科の特徴
小さい頃の経験から、大人になって歯医者さんが苦手という方も多いと思います。当院では、無理をしないで楽しく、自ら来院してもらうことを目指して、お子様の治療体制を整えています。まずは歯医者さんに慣れてもらうことが大切です。お子様の初めての来院の際には、緊急時以外はすぐに治療をはじめることはありません。歯医者さんに慣れてもらうことからはじめる、これが当院の基本方針です。
歯医者さんに来る、そして診察室に入り、診療台に座る練習からはじめて行きます。お子様が歯医者さん嫌いになるならないは、歯科医院の腕の見せどころ!と考えています。院長をはじめ、子供好きのスタッフが集まっている当院で、ぜひ、大切なお子様の歯医者通いのお手伝いをさせてください。安心してお任せいただけるという自信があります。
また、どうしても男性の歯科医師が苦手というお子様もいらっしゃいます。当院には女性の歯科医師が在籍しているので、ご希望に合わせて女医による治療も可能です。最初こそ治療を嫌がっていたお子様も、治療が終わり帰る頃には笑顔になっているというのが、当院の特徴のひとつでもあります。
子供が怖がらない、嫌がらないというお言葉をいただくことあるので、安心して治療をお任せいただけるとお約束できます。とにかく歯医者が苦手!というお子様をお持ちの方は、ぜひ一度、当院へお越し下さい!
むし歯から子供を守るために必要なこと
乳歯は、歯の表面にある硬いエナメル質が、永久歯に比べて薄いので、酸に溶けやすくむし歯になりやすいのが特徴です。「どうせ乳歯は生え替わるから…」とお子様の虫歯を放っておくのは危険です。お子様のお口の健康を考えるなら、しっかりと予防を心がけるようにしましょう。
乳歯のむし歯を放っておくと、お子様の咬む力、食欲に大きな影響を及ぼします。その積み重ねで骨格や発音、容姿まで左右してしまうこともあります。さらに、これから生えてくる永久歯にも悪影響を及ぼしてしまいます。お子様の歯、口の中で少しでも気になることがありましたら、お早めに当院にご相談ください。
ご家族のお口の環境を整える!
生まれたばかりの赤ちゃんのお口にはむし歯菌は存在していません。むし歯菌の感染から赤ちゃんを守るためには、赤ちゃん専用の食器やスプーンを使うことが大切です。また、赤ちゃんが生まれてくる前に、ご家族全員がお口の環境を整えて、むし歯菌の数を減らしておくことをおすすめします。
歯が生えてきたらまず歯医者さんに相談を!
お子様の歯をむし歯から守るために、歯が生えてきたらまず歯医者さんに行き、気をつけるべきことを教えてもらいましょう。
- おやつや食事は時間を決める
- 糖分の多いおやつは控えめに
- 食べたら歯磨き、口をゆすぐということを心がける
この3つを守ることで、お子様をむし歯菌から守る可能性が高まります。
仕上げみがきがポイント
まだ自分で歯磨きが出来ないお子様には、親御様による仕上げみがきがとても重要になります。成長とともに自分で歯磨きができるようにするために、歯磨きは楽しい!という習慣にして上げるように心がけてください。自分だけでしっかりと歯磨きができるようになるのは8〜9歳からです。それまでは、しっかりとサポートしてあげることが大切です。
予防処置方法もチェック!
当院では、お子様をむし歯菌から守るために、予防処置を行なっています。
- 歯磨き指導
むし歯予防の基本は、毎日の歯磨きです。お子様の歯の生え方、発育段階に合わせた歯ブラシの選び方や、歯のみがき方をきちんと指導いたします。親御様にも仕上げみがきのコツをお教えしますので、毎日のセルフケアに活かしてください。 - フッ素塗布
むし歯の予防だけでなく、初期の虫歯であれば、歯の再節化により治癒が見込めることもあります。予防効果を維持するために定期的なフッ素塗布をすることで、歯質を強くし、むし歯菌への抵抗力を高めることができます。 - シーラント
奥歯の溝は、通常の歯磨きでは汚れが落としにくく、むし歯になりやすい場所です。この溝の部分にあらかじめレジン(歯科用プラスティック)を埋める処置で、むし歯菌から奥歯を守ります。生えたての永久歯に有効な処置なので、ご相談ください。
子供の歯並び・咬み合わせの重要性
小児矯正では、歯並びだけでなく、呼吸も意識した矯正治療を施します。矯正治療は、歯並びだけに注意が向けられがちですが、実は、呼吸とも大きなつながりがあるのです。
近年の食の欧米化により、お子様の顎に大きな影響を及ぼしています。顎骨が小さい、顎骨の位置ズレを起こしているお子様が増えています。上顎が十分に発育しないこと、ズレがあることにより、鼻の中の空気の通り道である鼻腔を狭めてしまうので、呼吸がしにくくなってしまいます。下顎の場合は、歯の並ぶ空間がうまく確保できないことで、歯並びが乱れる原因にも。また、舌が喉側に押しやられることで、気道を狭めてしまうという影響もあります。これらが原因で、口呼吸が常態化してしまうと、発育面、体質面、情緒面に悪影響を及ぼしてしまうのです。
呼吸が不十分になると、脳の成長にも影響してきます。脳に十分な酸素が届かないことで、脳の発育が不十分なものとなり、学力低下に繫がります。寝ているときでなく、起きているときにも口呼吸の常態化という悪影響を及ぼします。口呼吸が常態化すると姿勢が悪くなり、情緒面でも不安定な傾向が生まれることもあり、さらに、鼻炎やアレルギー、中耳炎、免疫力での悪影響も出てきます。歯並びだけでなく、呼吸もお子様にとって人生を左右する非常に重要なものということがわかります。